《 第四考:八王子型一本柱人形山車の構造を探る〜所沢市御幸町、盛留立ち上げA 》
一本柱人形高欄(盛留)を立ち上げる作業の様子、第2回です。
今回は人形高欄(盛留)の完成までをお届けします。
※写真(画像)の無断使用、転載等禁止。
・
人形の御頭です。左が関羽、右が周倉です。頭の芯木に「原舟月作」の刻印が見えます。
組み立ては台座の上で行われます。まず、腕。右手は巻物を持っているので下げた状態で
いいのですが、左手は上げていたか?下げていたか?腕の差込は四角なので、差し込み方で
上げ幅が90度づつ違ってしまいます。右写真では上げってますが、やや下げた状態で落ち着きました。
足の方が先だったようで一度、腕を外し、足を差し込みます。そうそう組み立てることが
ないので大変です。作業自体は腕も足も衣装は附いたままになっておりますので、比較的
スムーズに進みます。すかさず、胴回り。こちらは衣装を着付けます。
御頭を差し込みます。座っていても台座の上ですので高さがあります。やや、傾けないと
差し込むことが出来ません。完成間近の関羽の後ろでは、周倉が組み付けを待っています。
ん?胴体横に「張飛」の記載が…。後年になって書かれたのか、逆さまに記載されています。
組みあがった関羽の配置を台座の正面へ向くように調整します。
肩当もつけられ、完成の関羽。後ろでお待ちかねだった周倉の組み付けが開始。
周倉は立っているので足元から組み付けます。
総がかりで着付けが進みます。こちらもスムーズに御頭まで組み附けが進みました。
「ワシを映せ!」と周倉とビデオカメラの前に関羽が割り込んで…と
そんな風にも見えます。うしろでは周倉がほぼ、完成。
ここで気になっていたタンスの中身が明らかになりました!六角形の人形高欄(盛留)の
台座、6面それぞれに飾られる龍の彫刻(右写真)が入っていたのです!ナルホド!
ポーズの違う龍が6面にそれぞれ嵌め込まれました。
最後にぐるりと人形を囲む高欄が巡らされます。各部品がバラバラで、一つずつ組み付けて
いきます。高欄が組みつけられ、人形高欄(盛留)が完成しました!
関羽のアップ(左写真)と周倉のアップ(右写真)。
関羽と周倉の2ショット。「これにて完成!」と見栄をきっているわけではありませんが
人形高欄(盛留)は、完成です。
【所沢市御幸町、盛留立ち上げ@へ】
【所沢市御幸町、盛留立ち上げBへ】
◇
今回は此処まで。次回は完成までの様子をお伝えする最終回です。
取材に際し、御幸町の方々はじめ、御協力頂いた方々に御礼申し上げます。
2006.8.15up
◇
もどる