《 第二考:川越の山車の構造を探る〜川越山車切組編A 》
切組の様子、第二回目です。前回は廻り舞台の組み付けまででした。
今回は、いよいよ鉾部分の組み付けです。
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いよいよ鉾部分の作業に入ります。行燈と呼ばれる鉾内部に仕組まれる枠組の組みつけが
始まりました。この行燈が上鉾の上下に欠かせない部分となります。まず人形迫り出しに
関わる、二本の柱が立てられ、その左右に内側の行燈部分が組み立てられます。
人形を固定するための芯棒が鉾内部で上下する部材に差し込まれます。その間に行燈となる、
左右の部材に桟を渡して繋ぎ、行燈を形成します。囃子台の作業も同時に組み付けが始まり、
向拝柱(前柱)が立てられ、欄干も組み付けられます。
内側となる行燈に迫り上がって上鉾部分となる外側の行燈部分を組み付けます。4枚の部材を
四方から貼り合わせて固定します。柱としては細い事に驚かされます。また、内側の行燈の柱
には滑車が仕込まれ、その滑車を会してスムーズに上鉾が上下するように作られています。
囃子台上部の組み付けです。脇障子を組み付け、屋根を支える柱を4本使い、欄間部分を柱に
組み付けます。欄間部分に屋根や、破風板を支える部材を組み付け、その上に天井絵を載せます。
同時進行で後部の羽目板彫刻部分も組み付けておきます。ここで一時休憩で、昼食となります。
またまた、休憩の間にちょっと近くで見てみましょう。祭礼当日には真正面からはあまり
近づけないので、天井絵をマジマジと見ておきます。山本琴谷の作という龍の絵です。
欄間正面の彫刻も、完成時には額が飾られるため見る事が出来ない部分です。
形が随分出来上がってきましたが、実はまだまだ、先は長いのです。この後、大物の
屋根の組み付けが待っています。現段階では破風板のみが付けられている状態です。
13:00から午後の作業が開始されました。足場が組まれ、いよいよ大掛かりになってきました。
屋根部分は左右に分割された部材。片側だけでも相当な重量があり、持ち上げるのも一苦労です。
上から破風板を挟み込む形で組み付けられます。左右組み付けたら鬼板のついた棟木を上から
組み付けて屋根部分が完成です。屋根の組み付けは手馴れた職人でも苦労する所だといいます。
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大物が組みつけられたところで、今回はここまで。
次回は高欄の組み付けからお伝えしたいと思います。
取材に際し、御協力頂いた方々に御礼申し上げます。
2006.4.6up
【川越山車切組編@を見る】
【川越山車切組編Bを見る】
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