タイトル

《 第二考:川越の山車の構造を探る〜川越山車切組編@ 》

自由研究

縁あって川越の山車の切組を見学することができました。
切組を通して川越の山車の構造を勉強することが出来ました。

※写真(画像)の無断使用、転載等禁止。

川越山車切組 川越山車切組
まずは車軸に車輪を通し、側面に前輪と後輪をつなぐ木材を渡し、前輪と後輪の間隔を揃えます。
その上で木鼻部分の枠組みを行います。当然、傷が付かないように毛布を敷いてあります。

川越山車切組 川越山車切組
組みあがった木鼻部分の枠組みを寝かせます。この枠組み部分には廻り舞台を支える
芯棒が通る穴も空いています。この部分にまで芯棒が通っています。

川越山車切組 川越山車切組
枠組みと車軸を縄で縛って固定します。その上に腰板を巡らす台座部分を組み上げていきます。

川越山車切組 川越山車切組
この台座部分も縄で縛って固定します。木槌を巧みに使い、締め上げていきます。
固定されたら、屋台骨となる柱を立てていきます。

川越山車切組 川越山車切組
骨組みに化粧板となる腰板を嵌めていきます。綺麗に腰板が嵌ったら、廻り舞台の下側の
レール部分を含む下枠部分の組み付けです。

川越山車切組 川越山車切組
ここで一旦休憩です。ここまでの作業で11:00位。集合して山車庫から運び出す作業まで含めると
3時間は経過しているようです。話には聞いていましたが、この先、長丁場となりそうです。ここで
休憩時間を利用して近くで勉強させて頂くことにします。右側写真の真ん中、やや上に空いている穴が
廻り舞台の芯棒が通る穴です。また、手前の部材に元の部材の欠損部分を新しい木で補修している
のが見て取れます。元の部材を極力残しつつ修理、保存されているのです。

川越山車切組 川越山車切組
左写真は廻り舞台のレール部分。この上を鉄製のローラーが通るわけです。途中で切れていますが、
中央部分と左右で3分割されています。おっと、作業再開のようです。長い鉄の棒が差し込まれます。
これが廻り舞台の芯棒となります。結構な長さがあります。先ほど組んだ、木鼻部分まで達します。

川越山車切組 川越山車切組
下枠の外側になる枠組みを組み、框(カマチ)となる側面には金箔が貼られた化粧板がはめ込まれます。

川越山車切組 川越山車切組
組まれた下枠の内側に左右に分割されていた廻り舞台のレール部分を組み込みます。その上に
「蛇の目」と呼ばれる、ローラー(滑車)を同心円状に組んだ円盤を芯棒に通し、下枠の
レール上に載せます。ここが廻り舞台の核となる部分です。

川越山車切組 川越山車切組
「蛇の目」の厚さよりもローラーのほうが直径が大きいため、上下にローラーが少しハミ出します。
それを上枠、下枠でサンドイッチする格好となり、ハミ出たローラー部分が上枠、下枠に仕込まれた
レールを伝い、廻り舞台が滑らかに回転する仕組みです。非常に効率よく考えられた構造です。
「蛇の目」本体は木製で、円状の鉄輪が嵌められています。ローラーは焼入れされた鉄製です。

川越山車切組 川越山車切組
上枠の組付けを行うと「蛇の目」は見事にサンドイッチされ、スルスルと滑らかに回転するように
なります。組み付けられた上枠の框部分にも、下枠同様に金箔の貼られた化粧板が嵌め込まれます。

廻り舞台詳細説明は、こちらから

今回は此処まで。次回は鉾部分の作業からお伝えします。
取材に際し、御協力頂いた方々に御礼申し上げます。

2006.3.30up

【川越山車切組編Aを見る】

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